みやび☆りゅうの「わたくしスタイル」

エンタメ系Webライター兼、新米パパの雅龍(みやび☆りゅう)がお届けする、様々なこと。

「ミニマリスト」という生き方と心理を、「災害への備え」とともに考える。

熊本の地震の被害がさらに拡がっているようで、個人的な願望として早く平穏を取り戻して欲しいと心から願っている。
皆さんもボランティアなどで駆けつけたい、助けに行きたいと思っている方もいらっしゃるかも知れないが、余震が続き宿泊施設もままならない今は、気持ちをグッと抑えて自粛をした方が良いであろう。

さて、今日ふと思ったことなのだが、こういった災害時に対する備えについてミニマリストを称する方々はどう考えているのだろうということだ。
実際にインタビューなどで思いをうかがったわけではないのでここからはあくまで私見であるが、ライフスタイルとその心理について考えてみたい。

 



「部屋の乱れは心の乱れ」とはよく言われることだが、これはかなり正しいと思う。
人間が社会生活を送るうえで、外部へ見せる顔が存在する。ユング心理学で言ういわゆる”ペルソナ”とまでは言わないにせよ、周囲から要求される自分を演じている部分は少なからずある。
外に見せる自分は多くの場合「ちゃんとしよう」という意識が働いているのだが、一人暮らしの自分の部屋など、人に見せる機会でもない限り基本的に自分の自由になるスペースだ
外部に見せている自分とは別の、心のままの自分でいられる空間を自分がどう使うのかということだが、その自由空間を片付けるためにはモチベーション以外に必要な物がある。

それは心の余裕だ。

もちろん片付けに関するモチベーションが常日頃高い人は問題ないが、多くの人は部屋を片付けるためにその手順や方法を考えてから行動をする。
心に余裕がないと手順や方法を考える思考の手間を煩わしく感じ、また行動を起こすという自分の状況の変化を望まなくなる。もしくはその内面を外的刺激によって活性化しようとして、自分の部屋にこもることを嫌がる。
これらはつまり、心が平衡を保つために自分の自由になる空間を放置している状態だ

それを踏まえたうえで、「ミニマリスト」と「捨てられない人」を考えてみよう。

「ミニマリスト」というのは、断舎利をして最小限の物で良いと割り切る勇気ある者。
その身にタトゥーを彫るがごとく、その意思強く勇気の証を持った者とも言える。
だが反面、物を持っていることの煩わしさに心を乱されたくないという意識、裏側に秘められた内面の弱さを守るために行う行為かも知れない。

また「捨てられない人」も一般的なレベルの人は、「持っているといつか役に立つのではないか」を捨てるかどうか迷った時の価値判断基準に使い、「いつか」「いざ」という不定の未来を想定することで、物を持つことの安心感や理由を得たいとも言えよう。
どちらが自然な考えかと言えば思うに後者であるが、「ミニマリスト」には物で溢れた現代社会への提言という気持ちもあるのであろう。実に潔い考え方である。

しかしながら、行き過ぎたミニマリズムは本来の目的である心の余裕を失くしてしまうことにもなる。
他者からの干渉、それもプレゼントとしてもらう善意であったり、自分の考えに反する人との交流を否定することもあるだろう。さらに言えば、もし自分が物を持たなかったことで不利益になることがあったら、研ぎ澄まされた意識は自分自身の心身に傷をつけかねない。
今回の地震のような災害時のために貯えておくことは無駄ではないのだから。

「災害へ備える意識」はミニマリズムに反する「いつか」「いざという時」役に立つ物を持つことだ。
人は皆未来を知らない。
未来に何があるか分からないという不安とともに生きている。
「いつか」「いざという時」という気持ちも当然だと思う。
突き詰めるという行為も時には必要な考察だが、捨てられないということも安易に否定するべきではない。

ミニマリズムというのは、ある意味老子の言う「小国寡民」に近い思想なのかも知れないが、グローバル化した現代社会では成し遂げるのは難しい。
現代に、他国と交流せずに過ごせる国などないのだ。
ミニマリストを標榜する方々は捨てられない国の国民を非難せず、また捨てられない国の国民はミニマリスト人の勇気の証を讃え、互いに認め合いバランスの取れた社会を目指せば良いのだと思う。

最後に、うまいまとめも思いつかないが
私自身は楽器を楽しみたいので、ギターもベースもキーボードも手放さずにいる。こういうタイプの人はミニマリスト人にはなれない性分かも知れない。

災害時には楽器は何の役にも立たないだろうが、多少の心の余裕くらい持ってても良いのではないだろうか。

 

 

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